知っていれば安心!老後に必要な生活費と老後破産を防ぐ5大制度

この記事では老後の生活資金がどのくらい必要なのか、そしてその際の老後の生活水準や様々な年金制度など、多くの人が気になる「老後の生活費」についてを解説していきます。
特に、老後にどのような生活をしたいのかによって、必要となる生活費の金額は変わってきます。
様々な老後の収入に関連する制度を上手く使いながら、今から老後に向けた資金計画を立てるようにしていきましょう。

住居形態によって変わる老後の生活費

まず、老後の生活費が実際に一体いくら必要なのかについてですが、その実態としては高齢夫婦無職世帯の家計収支(2016年)の調査によると、月の生活費が277,000円となっています。

ただし、この数値は必要最低限の数値となっていますので、もう少し余裕を持った老後を送りたいという人や趣味にも積極的に取り組みたいという人の場合には、余裕を持った生活費の設計が必要となります。

さらに、ポイントとなるのが住居費です。
持ち家の一軒家の方でローンを完済している場合には、家賃は必要ありませんので、毎月の支出は抑えられますが、定期的に外壁の塗り替えや屋根の工事などの修繕などを行わなければなりません。

また、持ち家でもマンションの場合には、毎月の管理費や修繕積立金の負担があります。
特に古いマンションになればなるほど、毎月の修繕積立金が高くなるように設計しているマンション管理組合が大半ですので、現時点でその点も考慮しておくようにしましょう。

賃貸の場合には、老後を迎えたとしても現役時代と同じように家賃の負担が毎月発生していきますので、その点をしっかりと考慮しましょう。

必要な生活費は月々25万円前後

それでは、具体的に必要な生活費、支出の方を仮定の高齢者世帯の家計簿を元に確認しましょう。
ここでは、住居費についてその世帯の状況によって大きく異なるため、「持ち家・戸建て」「持ち家・マンション」「賃貸」の3パターンの家計簿を比較してみます。

項目 老後の生活費
住居(持ち家・戸建て) 20,000円
住居(持ち家・マンション) 40,000円
住居(賃貸) 70,000円
食費 60,000円
水道光熱費 25,000円
消耗品費 15,000円
医療費 15,000円
衣服費 15,000円
通信交通費 15,000円
娯楽趣味 25,000円
雑費 25,000円
合計(持ち家・戸建て) 215,000円
合計(持ち家・マンション) 235,000円
合計(賃貸) 265,000円

こちらの家計簿がおおよそ贅沢をしない程度の最低ラインの生活水準となっています。
食費が6万円と少し高いように感じるかもしれませんが、1日に換算すると約2,000円となりますので、二人分の食費と考えるとそこまで大きな余裕はありません。
たまに外食などをしてしまうと、すぐに超えてしまうような金額と言えるでしょう。
高齢者になって食べる量が少なくなったとしても、少ない材料だと割高なものを購入しないといけないことから、意外とそこまで食費は安くはならないのです。

この結果、持ち家で戸建ての場合の老後の生活費が215,000円となります。
この住居費の20,000円は最低限の修繕費を月々で積み立てた場合の金額としています。

持ち家の場合のマンションだと老後の生活費が235,000円となります。

住居費の40000円は管理費が10000円、修繕積立金が20,000円、そして専有部分の修繕費が10,000円として計算をしています。
マンションを所有する多くの人が勘違いをしているのですが、修繕積立金はマンションの廊下やエレベーター、外壁などの「共用部分」に対してのみの修繕費を積み立てているに過ぎません。
そのため、マンションのお部屋の中の「キッチン」「お風呂」「壁紙」などは「専有部分」といって自分たちで修繕しなければなりませんので、その分の費用を予め用意をしておかなければなりません。

一方で賃貸の場合には、老後の生活費が265,000円となります。
高齢者二人世帯の場合、住居費は70,000円程度を見ておけば、ある程度の部屋には住めると言えますが、地域性によって家賃は大きく変動するため、地価が高いエリアだと70,000円では住めないこともあることは予め想定しておきましょう。
また、高齢者世帯の場合、大家側の審査で落とされることもありますので、その点も注意しておきましょう。

このように、老後の生活費という観点では、自分の理想とする生活水準と住宅の状況によって、大きく左右されますので、その点もしっかりと意識して自分自身の老後設計をしていきましょう。

現役世代と退職後で変わる支出内容とは

次に、「現役世代と退職後で変わる支出内容」について解説していきます。
実は、食費や水道光熱費、住居費などは現役世代と退職後でほとんど金額は変わりません。

次に金額が減る項目について解説していきます。
まず、最も大きく減額するのが「教育」に関連する費用となっています。
具体的には子供の教育費はもちろん読書などの自分自身にかける教育費なども減額していきます。
その他には通信交通費や娯楽費なども下がります。
外に出る機会が減ったり、娯楽として遊びにいく機会が減るためです。

一方で現役世代よりも退職後の方が金額が増えてしまう生活費もあります。
それが「医療費」です。
どうしても、年齢を重ねる毎に医療費の負担が増えてしまうのが現実です。

定年退職後の収入

では、次に定年退職後の収入についてを見ていきましょう。
基本的にメインの収入となるのは「年金」です。
年金の金額はそれぞれの人が加入している年金によって、金額が大きく異なってしまいます。
一般的な厚生年金を受給する場合には、高齢者夫婦二人で20万円程度貰えることになりますが、自営業者などの国民年金の場合には、13万円程度ととても低くなってしまいます。

そのため、定年退職を迎えても65歳や70歳までアルバイトなどをしていくケースもあります。
もちろん、現役時代と同じようにフルタイムで働くのは体力的にも厳しいですが、週に3、4日程度、1日4,5時間働くだけで10万円弱の収入となるため、定年退職後の収入としては大きな支えとなるでしょう。

老後破産に陥らないために注意したいこと

老後破産とならないようにするためには、まず、老後にどのような生活を送り、どのくらい生活費が掛かるのかを、できるだけ早い段階で把握することです。
そして、その上で自分自身の年金で一体、どのくらい貰えるのかを把握することで、足りない金額を把握することが重要です。
その上で、様々なリスクや制度を知っておくことが老後破産に陥らないためのポイントと言えます。

ということで、次には老後破産となってしまうリスクや老後破産を防ぐ制度などについて、詳しく解説をしていきます。

無収入期間のリスクに備える必要性

定年退職を迎えた場合、年金やアルバイトなどで収入を得ることができますが、年を取る毎に身体の問題を抱えてしまうかもしれません。
万が一そのようになった場合、無収入の期間ができてしまう可能性があります。
無収入の期間ができてしまうと、支出は生きていくだけでずっと発生してしまいますので、すぐに生活が破綻してしまいかねません。なので、無収入期間のリスクに備える必要があります。

老後の収入に深く関連する制度

様々な老後の収入に関わる制度がありますので、いくつか紹介します。

在職老齢年金制度

在職老齢年金制度とは、年金を受けられる人が60歳以降の人が働いた場合、貰える年金の一部または全額が支給停止される制度のことを言います。
実際にどのくらいの年金金額が減額されるのかは稼いだ金額によって異なりますが、年金を貰える年になっても働き続けることで年金が減額される可能性があるということを把握しておきましょう。(働いたことで貰える給料が減額される訳ではありません)

確定拠出年金

確定拠出年金とは、老後資金を貯めておくための制度となっています。
現役時代からお金を支払い(拠出)、老後の資金のために貯めておく制度となっています。
私的年金とも言われ、税制上有利な点もありますが、実際にいくらの金額を年金として受け取ることができるのか決まっていない(運用によって上下する)のが特徴です。

高齢任意加入

国民年金の制度で、本来の加入期間である20歳から60歳を超えて、60歳以上65歳未満の期間に任意加入できる制度となっています。
これによって、未加入の時期が合った場合に60歳を過ぎていても、この「高齢任意加入」の制度を活用することで、老齢基礎年金が受けられる月数にカウントすることができる制度です。

年金の繰上げ支給

老齢基礎年金は、原則として65歳から受けることができる年金ですが、「年金の繰上げ支給」を活用することによって、60歳から65歳になるまでの間でも繰上げて受けることができる制度です。
この制度を活用することによって、65歳よりも早く年金を受けることができるようになりますが、貰える月々の年金が減額されてしまう点で注意が必要です。

個人年金

個人年金とは、お金を積み立てておくことで、所定の年齢から年金を受け取ることができる自分で作る貯蓄型の年金のことです。
年金の受け取り方は、毎月決まった金額を受け取ることができるタイプや、一時金でまとまった金額を受け取ることができるタイプなどがあります。

まとめ

この記事では「老後の生活資金」というテーマで老後の生活水準や生活費、そして老後の生活設計をする上でおさえておかなければならない制度などについて解説しました。
ここで紹介した老後の生活費などは最低限の数値であり、さらに充実した老後を送りたい場合には、さらなる準備が必要となっていきます。
自分がどのような老後を送りたいのか考え、しっかりとした人生設計をしましょう。