年金受給額の平均は国民年金5万5千円、厚生年金14万8千円

現在、医療が発達し平均寿命が長くなっている一方、老後の資金が枯渇しないか心配する人が増えていると言われています。老後にもらえる年金は、一体どれくらいかご存知でしょうか?また、一口に年金といっても、種類は様々です。この記事では、公的年金の平均受給額について解説します。

年金の種類による受給額の違い

日本の公的年金は3種類あります。それぞれ毎月納める保険料も違いますが、その受給額についても違いがあります。まずは、この3つについて簡単に説明します。

種類 加入対象者
国民年金 自営業者等
厚生年金 会社員
共済年金 公務員

公的年金の基本的な仕組みについてですが、国民年金は「国民年金(老齢基礎年金)」だけの1階建てですが、厚生年金は、「国民年金(老齢基礎年金)」部分と「厚生年金(老齢厚生年金)」部分の2階建てになっています。共済年金も「国民年金(老齢基礎年金)」部分と「共済年金」部分の2階建てです(厳密には、「年金払い退職給付」を加えた3階建て)。ただ、この共済年金は、平成27年に厚生年金に統合されたという変更点があります。

さらに、被保険者についても3つの区分があり、この区分によって、保険料の納付方法などが異なります。

第1号被保険者 自営業者、学生、無職の方など、国民年金だけに加入している人
第2号被保険者 民間会社員や公務員など、厚生年金、共済組合の加入者
第3号被保険者 厚生年金、共済組合に加入している第2号被保険者に扶養されている20歳以上60歳未満の配偶者

国民年金の平均受給額

一番基本的な国民年金の受給額は、どれくらいなのでしょうか?受給額は「保険料を納付した期間」によって決まります。
20歳から60歳までの全期間40年で保険料を納付した場合、満額の78万円(厳密には779,300円:平成29年4月分からの金額)を65歳から受給することができます。平均受給額は、次のようになっています。

平均受給額:約5万5千円(平成27年度末現在)

※ここでの数値は「平成27年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」を参考にしています。

厚生年金の平均受給額

国民年金の受給額は、「保険料を納付した期間」だけで決まりますが、厚生年金は「保険料を納付した期間」と「加入期間中の給与の平均」によって決まります。平均受給額は、次のようになっています。

平均受給額:約14万8千円(平成27年度末現在)

※ここでの数値は「平成27年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」を参考にしています。

実際には加入者は、この老齢厚生年金に加えて2-1の老齢基礎年金(国民年金)の支給額もプラスされることになります。

ここでは平均額を明記しましたが、ご自身が受け取れる実際の金額は、一体どれくらいなのか気になる人もいると思います。ですが、厚生年金受給額の計算は大変複雑なので、「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」を使って確認することをオススメします。
しかし、「ねんきん定期便」では、50歳以上の方は、それまでと同じ条件で60歳まで加入した場合の受け取れる見込み額が表示されていますが、50歳未満の方は、それまでの加入実績に応じた金額が表示されるだけで、60歳まで加入した場合の表示がされていません。「ねんきんネット」では、50歳未満の方でも、色々なパタ―ンでシュミレーションできるので、ご自身の年齢にあった方を選択しましょう。

共済年金の平均受給額

共済年金は、平成27年に厚生年金に統合されたので、基本的な仕組みは厚生年金と同じです。ただ、共済年金には、それまで「職域加算」というものがあり、この部分が厚生年金と大きく違う点でした。統合後では、この「職域加算」部分が「年金払い退職給付」制度となり、共済年金の優遇が引き継がれています。支給額は各個人によって異なりますので平均額ではありませんが、地方公務員共済連合会によるモデル年金額では、次のようになっています。

<モデル年金額>※
年金月額:17,299円(終身8,108円、有期(20年)9,191円)
給付算定基礎額:約421万
※前提条件
標準報酬月額の平均:40.6万円
加入期間:40年
支給開始年齢:65歳
※地方公務員共済連合会「年金払い退職給付制度に係る付与率・掛金率等について」より
色々な支給パターンが考えられるのですが、概ね2万円弱が上乗せされると考えていいでしょう。よって、公務員の場合は、上記の「老齢基礎年金(平均額は約5万5千円)」、「老齢厚生年金(平均額は約14万8千円)」、この「年金払い退職給付」の3つの合計額が毎月受け取れる支給額になります。

種類による平均受給額の推移

次に各年金の平均受給額は、どのように変化しているのでしょうか。それぞれの平均支給額の推移について説明します。

国民年金の平均支給額の推移

国民年金の平均支給額が、どのように変化しているのか見ていきましょう。過去5年間の推移は次のとおりです。

【国民年金受給者の平均月額の推移】

年度 老齢基礎年金(円)
平成27年度 55,244円
平成26年度 54,497円
平成25年度 54,622円
平成24年度 54,856円
平成23年度 54,682円

 

変化が分かりやすいようにグラフにしてみます。過去5年間の推移(グラフ)は次のようになります。

【国民年金受給者の平均月額の推移(グラフ)】

年によって若干の変化もありますが、ほとんど変わらないように見えます。概ね5万5千円前後の水準を維持していると言えます。

厚生年金の平均支給額の推移

今度は、厚生年金の平均支給額が、どのように変化しているのか見ていきます。過去5年間の推移は次のとおりです。

年度 老齢厚生年金(円)
平成27年度 147,872円
平成26年度 147,513円
平成25年度 148,409円
平成24年度 151,374円
平成23年度 152,396円

これも変化が分かりやすいようにグラフにしてみます。過去5年間の推移(グラフ)は次のようになります。

【老齢厚生年金の平均受給額の推移】

平成24年までは平均15万2千円前後でしたが、平成25年以降は平均14万8千円となり若干下がっています。

共済年金の平均支給額の推移

共済年金の年金支給額は、国民年金(老齢基礎年金)と厚生年金(老齢厚生年金)に「年金払い退職給付」を加算した金額になります。国民年金部分と(老齢基礎年金)と厚生年金(老齢厚生年金)部分の推移は、これまで説明した平均受取額の推移と同じになります。「年金払い退職給付」の部分は、半額を占める有期年金部分が一時金で受け取れるなど、個々の加入員によって支給内容が大きく変わってきます。

夫婦世帯、独身世帯でもらえる額は変わる!?

これまで各年金の平均受給額について説明してきましたが、夫婦世帯と独身世帯を比べると、受け取れる金額は変わるのでしょうか。各世帯の平均より、解説していきます。

夫婦世帯の年金支給額平均

夫婦世帯の支給額の平均は、いくらくらいでしょうか? ここでの掲載する数値は「家計調査年報(家計収支編)平成28年(2016年)家計の概要」を参考にしています。

夫婦世帯の支給額平均額(月額):193,051円(社会保障給付)

例えば夫がサラリーマンで妻が専業主婦であった場合、夫の「国民年金」「厚生年金」と妻の「国民年金」が受け取れるので、これまで説明した各平均額を単純に合計すると25.8万円になります。自営業者で夫婦2人とも「国民年金」という場合、これもこれまで説明した各平均額の単純合計で11万円になります。実際には、この2つのケースの中間の金額が、夫婦世帯の平均額になっています。

独身世帯の年金支給額平均

次に独身世帯の支給額の平均は、いくらになるのでしょうか? ここでも「家計調査年報(家計収支編)平成28年(2016年)家計の概要」の数値を参考にします。

独身世帯の支給額平均額(月額):111,375円(社会保障給付)

公的年金が今後も減額する可能性は高い

公的年金の基本的な仕組みは、世代間扶養であるため、高齢化社会が続く間は、今後も減額される可能性があります。平成27年度も給付額が0.1%引き下げられました。今後もこのような傾向が続くでしょうし、さらに現在の支給開始年齢がさらに上がる可能性もあります。このままでは年金財政が破綻するなどの記事もあり、将来の年金改革が起こる可能性もあるのです。

まとめ

ここまで日本の公的年金の平均受給額について説明を行ってきました。長い間保険料を納めてきたので、公的年金でいくら貰えるのか、大変気になるところだと思います。公的年金以外の老後の資金を検討するにしても、まず基本となるのが、公的年金の受給額です。老後破綻を起こさないためにも、将来受け取れる年金額をチェックし、老後に向けた資産づくりを計画的に進めていきましょう。